クローズ、WORSTなどの高橋ヒロシの作品が好きなんだけど、作者本人も広言している通り随所にどおくまんの影響が見られる。 相当好きならしい。どおくまん作品は男子ならヤラレタ方も多いんじゃないでしょうか、泥臭く下品でリアルで筆のタッチも荒く決して上手い絵ではないがつきぬけた魅力を放っている。
なかでも「暴力大将」は不良漫画史上ベストと言ってもいいくらい面白い。設定は昭和15年(1940)~昭和30年(1955)で大きく分けて次の4編からなる。
・小中学校編(尋常小学校、高山中学校)
・河内矯正院編
・戦争編(バターン半島沖コレヒドール島、死の島ガダルカナル)
・戦後闇市編
暴力大将で描かれる不良少年の生きた時代は激動の時代、 死人部隊となって囮にさせられ大東亜戦線におくりこまれる。敵は重武装したアメリカ兵であり軍部である。 あの時代を扱った作品自体が非常に少ないので歴史大河作品(歴史の闇)としても楽しめる。 河内矯正院から話が一気に盛り上がるが、暴力度が凄まじく、バトルというか、ナイフ、丸太、石、斧、ライフル、ピストル、弓矢、槍、ダイナマイトを使った殺し合い。 強烈な戦闘描写は脳裏に焼き付いて離れないほど。
脇役にクセがあってそれぞれのキャラが作りこまれているのがリアル、 イケメンも草食男も萌えキャラも女もいない、戦闘時にいちいち苦悩するナイーブなアムロくんもシンジくんも出てこない。 ごっついいかつい男、漢、侠だけの世界
力動 剛(りきどう ごう)![]() |
武田実三 (たけだ じつぞう) ![]() 殴られても何度でも立ち上がるタフな熱血漢、力動にボコられても向かっていったことから「根性ある」と評価される。頬まで生えたもみあげが特徴的、こんな野暮ったい顔した中学生は見たことないんだけど、、、 |
黒木栄二郎(くろき えいじろう) ![]() |
増井弁達(ますい べんたつ) ![]() 河内矯正院には第一棟から弟六棟まで6棟の収容施設があり、各棟には30人収容の大部屋が8~10室ある、力動の入所した31号室から38号室までは第四棟に属しており、その第四棟全体をしきってるのが増井、 四角い顔の額に丸い瘤、一見してリアルにいそうでこちらが身の危険を感じるほどに増井はインパクトある。 増井と力動とのバトルは作中2度あるが一コマ一コマが壮絶で手に汗握る名シーン、キレると全身の血管が浮き上がりピクピク痙攣する。「ちわーっ」の気合も特徴的、手榴弾投げ99M |
三好空海(みよし くうかい) ![]() 第一棟~第六棟からなる河内矯正院ではもっとも実力のある勢力が藤助や村岡(11号室長)を擁し三好率いる第二棟(11号室から20号室)、 首から数珠をかけた僧侶のようないで立ちの巨漢、数珠は相手を締めあげる際に武器として用い丸太をもへし折る。増井よりデカく作中では根室に次ぎガタいが良い。 頭の中心部を剃った聖職者にも見えるヘアスタイルも類を見ない怪僧、 戦争編に突入した際の軍服姿の雄姿は恰好良すぎて好き。手榴弾投げは調子悪くて98M、 モデルは真田十勇士の三好清海入道、高橋ヒロシ作品にも化け物のような出で立ちで強くて魅力的な男が数多く登場するがその影響が見て取れる。 |
伊賀藤助 (いが とうすけ) ![]() |
根室武蔵 (ねむろ たけぞう) ![]() |
黒木栄一郎(くろき えいいちろう) ![]() |
矯正院親衛隊 ![]() 地獄院と呼ばれる河内矯正院を取り仕切る院長とその親衛隊、 収容生に対する刑罰は残酷をきわめ、 凶悪な収容性からも恐れられている。 中央の小男が院長の薬師寺、自分とそっくりの猿を飼っている。 秋山(右端)は根室と対峙し壮絶な最期を遂げる。 この他にもモヒカンで顔面傷だらけの第一棟組頭・杉山竜三、斧を振り回す第三棟組頭・友田、ヌンチャクを振り回す第五棟組頭・荒木田独歩、戦争編に入ってからは第2の死人部隊として関東天海組の天海竜馬とその子分、等々多くの侠(おとこ)たちが登場して熱いバトルを繰り広げる。 |
君を君を閉じこめる奴の気が知れないぜ
君を君を閉じこめる奴は君に気づかない
火の中を駆ける君こそステキさ
嵐に花を咲かす君がイイ!イイ!イイ!イイ!
電光石火に銀の靴
これが君へのプレゼント
電光石火に銀の靴
これが君へのプレゼント
サイクルの耳飾りと
シルバーのサングラスと
ピンクのシャドウと
ブルーのドレスが君らしい
君を君を閉じこめる奴の気が知れないぜ
君を君を閉じこめる奴は君に気づかない
イナズマにキスをする君こそステキさ
シャウトの夜をドライブする君がイイ!イイ!イイ!イイ!
電光石火に銀の靴
これが君へのプレゼント
電光石火に銀の靴
これが君へのプレゼント

暴力大将 / どおくまん / 1975~1985 / 月刊少年チャンピオン
電光石火に銀の靴 / 泉谷しげる / 1977
0 件のコメント:
コメントを投稿